ビジネス上の理由だけではなく、税金をできるだけ抑えたいという理由から、法人成りを検討する人が増えています。
法人成りの手続代行は司法書士に依頼することが一般的ですが、法人成りにより最大限節税効果を得るためには、法人成りのタイミングや資本金・決算期等の最初の決めごとが肝心となります。これらの税金回りのサポートをする専門家が税理士です。
ここでは、法人成りに際して税理士にサポートを依頼した場合の費用相場や、税理士にサポートを依頼した方がいいケースなど、法人成りをするにあたっての税理士との付き合い方について紹介していきます。
目次
1. 法人成りサポートの税理士費用の相場は0円~5万円
法人成りサポートを税理士に頼んだ場合の税理士費用の相場は概ね「0円~5万円」です。
サポートしてくれるのに0円?と疑問に思う方もいるかと思います。
税理士もビジネスとして業務を行っているため、法人成りのサポートのみを無償で請け負ってくれるわけではありません。法人成りサポートが0円の場合は、法人成りした後の法人の税務顧問契約がセットでついてくることがほとんどです。
法人成りのサポートだけを単発で依頼したいという方は、5万円前後の費用はかかると考えておいた方が良いでしょう。
2. 手続代行は税理士ではなく司法書士
法人成りで必要となる手続きは以下となりますが、税理士の役割は①のアドバイスと⑥の手続き代行、それ以外の手続代行をしてくれるのは司法書士(一部行政書士)となります。
手順 | 内容 | 依頼する専門家 |
①必要事項の決定 | ・株式会社にするか合同会社にするか ・会社名、本店所在地、事業目的、決算期など |
税理士or司法書士 |
②定款の作成 | ・必要事項を基に定款の作成 | 司法書士or行政書士 |
③定款の認証 | ・公証役場で定款認証を受ける(合同会社は不要) | |
④登記申請書類の作成 | ・必要事項を基に登記申請書類の作成 | 司法書士 |
⑤登記申請書類の提出 | ・法務局へ書類の提出 | |
⑥税務届出書類の提出 | ・税務署へ設立届等の提出 | 税理士 |
「①必要事項の決定」と「⑥税務署への設立届」のフェーズで、税メリットを最大化させるためのサポートを税理士はしてくれます。
具体的には以下のような疑問の解決です。
- そもそも法人成りをするタイミングは今が適切なのか?
- 法人成りをするにあたり、税メリットを最大化させる「資本金」や「決算期」をどのように設定するのか?
- 法人成りをした後に、税務署に提出しなければならない書類や、提出した方がメリットを享受できる書類は何か?(+書類作成、提出代行)
法人成りをするタイミングはもちろんですが、法人成りをするにあたり、資本金や決算期を何となく設定してしまうことで、思わぬ税負担を強いられてしまうこともありますので、この辺りをサポートするのが、法人成りに関する税理士の役割となります。
なお、最近では「会社設立Freee」や「会社設立ひとりでできるもん」等のWebサービスを利用して、安価なシステム利用料を支払うことで、ご自身ですべて手続きを完了される方も多いです。
これらの手続きを全て丸投げしたいという方は、司法書士に依頼する必要がありますが、少なくとも決算期や資本金はご自身で決めなければいけないので、これらの必要事項の決定でお悩みの方は、まずは税理士に相談をしてみましょう。
3. こんな方は税理士に相談した方がいい!
より具体的に「こんな方は法人成りサポートを税理士にお願いした方が良い」というケースを紹介します。
(1) 法人成りするタイミングが本当に「今」でいいのかお悩みの方
法人成りはタイミングが肝心です。法人成りした後は、個人事業主時代よりも事務手続が増えます。決算・申告までご自身で完了させることが困難になるもありますし、これに対応する手間やコストがそれなりにかかってきます。
法人成りについて検索すると色々な情報が出ていますが、法人成りの適切なタイミングは各々の状況で大きく異なります。時間をかけて調べた挙句、「結局のところ自分の場合はどうなのか?」と結論が出せない方も多いのではないでしょうか。
手間やコストをかけて法人成りをしたにもかかわらず、法人成りしたメリットがほとんどない、逆に税金が増えた、という状況を避けるためにも、法人成りのタイミングで悩んでいる方は税理士に相談してみましょう。
(2) 法人成りすることは決まったが、最適な資本金や決算期でお悩みの方
法人成りの手続きが終わった後に、資本金や決算期を変更することも可能ですが、変更には時間やコストもかかりますし、最初に適切な設定をしないと、設立直後に受けることができる税メリットを取り逃す可能性もあります。
法人成りのタイミングと同様に、最適な資本金や決算期はご自身の状況によって様々です。
税メリットを取り逃す前に、また、設立後に急遽変更して追加でコストが発生してしまうことを避けるためにも、法人成りに必要となる資本金や決算期等の決めごとでお悩みの方は、法人成りサポートを税理士に依頼することをお勧めします。
(3) 法人設立したら税理士との顧問契約を考えている方
法人成り後の税理士との顧問契約を考えている方は、コスト面からも、法人成りを検討する時点から税理士に依頼することを絶対的にお勧めします。
顧問契約が前提であれば、法人成りサポートを無償または割引価格で提供している税理士がほとんどだと思いますので、「法人成りの手続が終わってから税理士と契約をしよう」と思っている方はもったいないです。税理士と契約する意思が固まっている方は、安心面だけではなく、コスト面からも法人成りサポート段階から税理士に依頼することをお勧めします。
おわりに
今回は法人成りに関して税理士にサポートを依頼した場合の費用等について紹介してきましたが、法人成りをする際だけではなく、法人成りをした後も、上手に税理士等の専門家にサポートをしてもらいながら、自分のビジネスを発展させることに注力することが何より重要となります。
上手に専門家と付き合うためには、どの専門家が何をサポートしてくれるのかを理解する必要があります。
スペラビ税理士法人では、法人成りのサポートから法人成り後の会計・税務に関する幅広いサポートをしております。法人成りに関して少しでもお悩みの方は、まずは当法人にお問合せ下さい。